2013年7月25日木曜日

アトリエコパン すごいすごいすごい!

小雨

夕方に立石さんと宮本さんと 「アトリエコパン」というところに見学にいってきた

石巻出身の 新妻先生という人とその奥さんがふたりでずぅとやってきた
こどものための造形教室

地元の人とはなしをしたときに 新妻先生がやってきたことはすごい とか
ぜひはなし聞いた方がいい とか 言われて
会いたいなーと 思っていた

アトリエの中に入って一瞬でわかる!ここはすごくいいところだ!
木造のこじんまりしたアトリエには こどもたちがつくったあらゆる造形物が
ところせましと並んでいるんだけど どれひとつ 適当につくられたものはないし
どれもこれもが ひとつの表現として 大切に保管されているというのがわかる

入った瞬間 子どもでなくても わあああああ と心がなって
なにかをつくりたい!!と思う空間




2時間くらい 色々なおはなしをした
新妻先生すごすぎる 先生のいっていること その意味が実感できすぎて感動する

先生は ただこどもに自由につくれ とは言わない
あえていじわるをする 曲がった線しかかくな 一時間でかけ 赤色しか使うな
など
自由に描きなさい というと こどもの絵はだいたい同じになるみたい
そして そうやってやっていくと 自分の内側にあるものだけを 信じて 大きくなって
外の世界にでたときに ポキンと折れてしまいやすい と言う
私はその意味がよくわかる
絵を描く ものをつくる というのは 目の前の瞬間に対して真剣に向き合うこと
まっすぐ描いてはいけない線を描くとき 描くことを考えざるを得ない
考えながら線を引く 色をぬる ということの大事さ
今 自分が絵を描いていて もっとも自覚していること

まずものをよくみなければ 自分のあたまで考えなければ つくれない
先生がやっていることは あたまで考えて 目のまえにあるものと真剣に格闘するための脳の訓練だ

十数年も アトリエをやりながら 一度も同じ課題をだすことはない と言ってた
その お題をつくるのも たのしそうだ!と思った
こどもは 2度目は飽きるんだって 前と同じか 前より簡単につくってしまって
つまり 要領を得て その 技でしかものをつくらなくなる
だから いつもちがうことを目の前に差し出して やっていく

あーーー もう はなしがおもしろいし ほんとうによくわかるし
書ききれないくらい 興奮した
こどものころに戻りたいなんて 一度も思ったことなかったけど
 子どもに戻って 小学生から高校生のあいだ ここのアトリエに通いたかった!!と
ほんとうに思った くーっ

今 大人になって 自分が真剣に絵をかきはじめて わかってきたこと
こどものころについたクセ 物をみるクセや 考え方のクセが 絵を描くときに邪魔になるときがあって 今はそれを自力でときほぐしているんだけど
ここに通っていたら 学校や学校の美術ではぜったい学ぶことのできない
そもそも ほんとうにものをみること 考えること を 造形の中で ほとんどぜんぶ
学び取れたんじゃないか と思うくらいだった

先生は ここに通うこどもたちの作品を 10年くらいとおしで見ていくことで
データを蓄積していて それはほんとうに大切なデータになる
人がものをつくりはじめて どのように考えを深めていくか 変化していくか
それが 作品をみていけばまるわかり。。

だけど 震災のときに 津波でぜんぶの作品が失われてしまったのだって
自宅も全壊した先生と奥さんは このアトリエの二階にしばらくこもって暮らしていて
作品がだめになってしまっている様をみながら暮らすのは どんなに辛かったかと思うと涙がでた
ここのアトリエに通うこどもも沢山被災して その子たちと作品のエピソード色々

ほんとはぜんぶ書きたいけど 長くなってしまうし 泣けてくるから 胸にしまっておきます

一枚 100号くらいの大きな油絵をみせてもらった
夕暮れの絵 画面の手前には 泥と水でぼこぼこになってなにもなくなった地面
その奥に校庭が描いてあって 一番奥には校舎と松の木
校庭には水たまりがあって そこに夕焼けの空が映ってる 
震災から2年半くらいたって ようやくこのような絵を描き始めることができたという高校生のこの絵が
とても綺麗だった 水たまりのところの 反射とか 空 木   ちょっと泣いた

震災のあとすぐ アトリエをいつもどおりやるということに とても緊張したといってた
今 なにをやらせればいいのか 真剣に考えて ほんとうにドキドキ 緊張しながら教室をひらいて
花瓶にはいってる小さな花を 小さい紙に写し取るというのをやったとき みんながしーんとなって もくもくとやったのだって
ただ 目の前にある小さなものを 見つめて それを写し取るということの意味
それが一番発揮された瞬間

そうだーーあ 原点はいつもそこだーーー
ものを真剣に見て それを自分の手でもう一度写し取る そこから絵は はじまるんだよね その喜びから はじまるんだよーーー

あ〜 胸がいっぱい
自分のリーフレットもお渡しして すこし自分のはなしもさせてもらう
とても真剣に聞いてくれて 納得してくれる

帰り際に がんばって あなたならタフだから 大丈夫 と言われた
うれしかった

あたまがずーと しびれて とにかくはやく絵が描きたい!!!!





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